Choi et al. (2020) 結婚は世代間所得移転にどう影響するか

論文情報

Choi, S., Chung, I., & Breen, R. (2020). How Marriage Matters for the Intergenerational Mobility of Family Income: Heterogeneity by Gender, Life Course, and Birth Cohort. American Sociological Review. https://doi.org/10.1177/0003122420917591

要約(DeepLで翻訳)

アダルトチルドレン労働市場での地位と結婚のタイプは、家族の優位性が世代から世代へと受け継がれる主要な経路である。しかし、この2つのルートを一緒に研究することはほとんどない。本研究では、息子と娘の違いを考慮し、教育を中心的な説明因子として考慮しながら、結婚のエントリーとmarital sortingを家計所得の世代間伝達に組み込む理論的アプローチを開発した。Panel Study of Income Dynamicsのデータに適用した新しい分解法を用いて、世代間の伝達において結婚が大きな役割を果たすのは娘の間だけであり、娘が30代後半になるまではそうではないことを明らかにした。このことは、我々のデータの中の最近のコホート(1963年から1975年生まれの人たち)では、より顕著である。婚姻の役割を説明する上では、婚姻状況とmarital sortingが比較的に重要であるが、sortingはコホートにわたってより重要になる。夫のキャリアを経て、教育に対する収入のリターンが増加していることや、親の収入と娘自身の収入との関連性が弱くなっていることから、親から娘への世代間の伝達において、marital sortingや結婚全体がより重要性を増している理由が説明できる。

データ

  • PSID

方法

  • 親の収入をこの収入に回帰してそのパラメターをIGEとする伝統的な方法
  • 子だけのパラメターと子と配偶者のカップルのパラメターの差を結婚のIGEに対する貢献とする
  • さらにこの差を,(1)親の収入の平均値の既婚者と未婚者の差、(2)親の収入の分散の差、(3)既婚者の割合、(4)プールされた夫婦の収入の平均利得、(5)子供の個人の収入のIGE、(6)配偶者の収入の関連性、(7)親の収入と配偶者の収入の関連性から子供の収入を差し引いた場合の親の収入の関連性,に要因分解する