Mitnik (2020) 世代間所得弾力性の新たな推定方法

論文情報

Mitnik, P. A. (2020). Intergenerational Income Elasticities, Instrumental Variable Estimation, and Bracketing Strategies. Sociological Methodology. https://doi.org/10.1177/0081175019887992

要約(DeepLで翻訳)

経済流動性の指標である世代間所得弾力性(IGE)は、子どもの所得の幾何平均で定義されているため、方法論的には深刻な問題がある。このため、期待値のIGEに置き換えることが求められているが、そのためには、期待のIGEを所得の短期尺度で推定するために必要な方法論的知識を開発する必要がある。本論文は、この目的に貢献するものである。著者は、通常の最小二乗推定器と操作変数(IV)を用いて得られた推定値を用いて、従来のIGEをセット推定(点推定ではなく)するのと同等の、期待値のIGEのセット推定のための「ブラケティング戦略」を提案した。提案されたブラケティング戦略は、ポアソン疑似最尤推定量とポアソンまたは指数回帰モデルの一般化されたモーメントIV推定量の方法を用いて生成された推定値を結合する。著者は、期待値のIGEのIV推定のための一般化された変数間誤差モデルを開発し、従来のIGEのIV推定の基礎となる対応するモデルと比較する。著者は、部分識別アプローチによる推論の観点から両尺度を考慮することで、IGEの信頼区間をどのように構築するか、特に異なる尺度セットで上界が複数回推定された場合にはどのように構築するかを規定している。最後に、Panel Study of Income Dynamicsのデータを用いて、著者は、ブラケット戦略が期待通りに機能することを示し、ブラケット戦略が生み出す情報と、その情報が商品や親の所得の短期尺度によってどのように変化するかを評価しています。本論文に付属している3つのコンピュータプログラムを利用することで、IGEのセット推定や統計的推論を非常に簡単に行うことができるようになっています。