Li et al. (2015) 中国都市部における戸籍と階層

論文情報 Jun Li, Yanfeng Gu & Chuncen Zhang (2015) Hukou-Based Stratification in Urban China’s Segmented Economy, Chinese Sociological Review, 47:2, 154-176, DOI: 10.1080/21620555.2014.990326 要約(DeepLで翻訳) 中国都市部の労働市場におけ…

Zhan and Wu (2017) 中国都市部における職業分離と所得格差

論文情報 Zhuoni Zhang, Xiaogang Wu, 2017, "Occupational segregation and earnings inequality: Rural migrants and local workers in urban China" Social Science Research, 61: 57-74. 要約(DeepLで翻訳) 本論文では、中国の労働市場において、農村…

Xie and Zhou (2014) 中国における所得不平等

論文情報 Income inequality in China ,Yu Xie, Xiang Zhou, Proceedings of the National Academy of Sciences May 2014, 111 (19) 6928-6933; DOI: 10.1073/pnas.1403158111 要約(DeepLで翻訳) 複数のデータソースを用いて、2005 年以降の中国の所得格差…

Brewer et al. (2020) 救急医療教育におけるジェンダー不平等

論文情報 Brewer, A., Osborne, M., Mueller, A. S., O’Connor, D. M., Dayal, A., & Arora, V. M. (2020). Who Gets the Benefit of the Doubt? Performance Evaluations, Medical Errors, and the Production of Gender Inequality in Emergency Medical E…

Small (2013) 因果的な考え方とエスノグラフィ研究

論文情報 Mario Luis Small, "Causal Thinking and Ethnographic Research," American Journal of Sociology 119, no. 3 (November 2013): 597-601.

Brodeur et al. (2020) p-hackingのチェックの一例

論文情報 Brodeur, Abel, Nikolai Cook, and Anthony Heyes. 2020. "A Proposed Specification Check for p-Hacking." AEA Papers and Proceedings, 110: 66-69. DOI: 10.1257/pandp.20201078 要約(DeepLで翻訳) 我々は、p-ハッキングのための簡便なチェッ…

Choi et al. (2020) 結婚は世代間所得移転にどう影響するか

論文情報 Choi, S., Chung, I., & Breen, R. (2020). How Marriage Matters for the Intergenerational Mobility of Family Income: Heterogeneity by Gender, Life Course, and Birth Cohort. American Sociological Review. https://doi.org/10.1177/00031…

Mitnik (2020) 世代間所得弾力性の新たな推定方法

論文情報 Mitnik, P. A. (2020). Intergenerational Income Elasticities, Instrumental Variable Estimation, and Bracketing Strategies. Sociological Methodology. https://doi.org/10.1177/0081175019887992 要約(DeepLで翻訳) 経済流動性の指標であ…

Freyaldenhoven et al. (2019) イベントスタディデザインにおける処置前のトレンド

論文情報 Freyaldenhoven, Simon, Christian Hansen, and Jesse M. Shapiro. 2019. "Pre-event Trends in the Panel Event-Study Design." American Economic Review, 109 (9): 3307-38. 要約(DeepL翻訳を少し修正) 我々は、観察されていない交絡要因が、…

Schmidheiny et al. (2019) イベントスタディデザインと分布ラグモデルについて

論文情報 Schmidheiny, Kurt and Siegloch, Sebastian, On Event Study Designs and Distributed-Lag Models: Equivalence, Generalization and Practical Implications. IZA Discussion Paper No. 12079. Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=332…

Kleven et al. (2019) 子どもの誕生がジェンダー不平等に与える影響

論文情報 Kleven, Henrik, Camille Landais, and Jakob Egholt Søgaard. 2019. "Children and Gender Inequality: Evidence from Denmark." American Economic Journal: Applied Economics, 11 (4): 181-209. 要約(DeepL翻訳を少し修正) デンマークの行政…

Rose and Rizopoulos (2019) 生物統計における因果推論のための機械学習

Sherri Rose, Dimitris Rizopoulos, Machine learning for causal inference in Biostatistics, Biostatistics, Volume 21, Issue 2, April 2020, Pages 336–338. DeepLで翻訳してみた。 一般的な推論問題と不確実性の定量化は、長い間統計科学の礎となって…

Rubin (1974) ランダム化および非ランダム化データを用いた因果効果の推定

潜在的結果の枠組み(Potential Outcome Framework)を元祖ともされる論文(元々のアイディアはNeyman 1923と言われている).反事実的条件に基づく潜在的結果の枠組みは,この論文を契機に急速に広まる.そんな有名な論文だけに,原著に目を通した人は少な…

Blackwell and Glynn (2018) パネルデータを用いた因果推論

パネル(TSCS)データでstructural nested mean modelsやmarginal structural modelsをもっと使おうよという論文.パネルデータを用いて因果推論をする場合には,時間不変の観察されない要因を取り除きたいのか,原因と結果にタイムラグがあるようなダイナミ…

Zhou and Wodtke (2019) RWRによるControlled Direct Effectsの推定

Controlled Direct Effectsの推定にはsequentual g-estimationが多用されてきた(Acharya et al. 2016が典型).ここでは,残差を使ったRegression-with-Residuals(RWR)を提案している.RWRの良いところは,実装が簡単な点(とはいえsequentual gもが面倒…

Athey and Imbens (2019) エコノミストが知っておくべき機械学習の方法

Annual Reviewでのレビュー.機械学習の基礎が解説されており,経済学でどのように応用されているかについても少しだけ触れている. Athey, Susan and Imbens, Guido W. 2019. "Machine Learning Methods That Economists Should Know About" Annual Review …

Hubbard et al. (2010) 混合効果モデルとGEEモデルの違い

個体があるグループにネストされている場合に社会学では混合効果(マルチレベル)モデルを用いることが多いが,疫学系の研究会にでているとGEEを用いることが多い気がする.本論文では,混合効果とGEEの違いを簡単に解説している.そもそも知りたい量が違う…

清水(2017) 統計的因果探索

先日読了したこちらの本についても簡単にメモ.何年か前の社会心理学会の方法論セミナーで話を聞いた際から気にはなっていた統計的因果探索ですが,何をやっているのかはよくわからないままでした.解説本も出たことだし,真面目に読んでみようということで…

因果ダイアグラム:結論の前に仮定をかこう

構造的因果モデルの勉強を少しずつはじめている関係で,edXにあがっているCausal Diagrams: Draw Your Assumptions Before Your Conclusionsという講義を受けてみました.講師はMiguel Hernánで他にもRobins,Pearl,VanderWeeleへのインタビューやショート…

Grimmer et al. (PA 2017) アンサンブル法による因果効果の異質性の推定

因果効果を推定するために多くのRCTが実施されているなか,部分母集団によって効果がどのように変化するのか(Heterogeneous Treatment Effects: HTE),また異なるトリートメントによって効果がどのように変化するのか(Effects of Heterogeneous Treatment…

Luo et al. (AJS 2016) コーディング条件に対するIEの感度

APCモデルにおけるコーディングとIntrinsic Estimator (IE)の感度を分析したペーパー.IEを提唱したYang et al. (SM 2004)やYang et al. (AJS 2008)に対するコメントという位置付けである.ちゃんと読んでいないが斜め読みでメモ. Luo, L., Hodges, J., Win…

Imai and Tingley(AJPS 2012) 混合分布モデルを用いた競合仮説の検証

社会科学ではある現象に対して複数の説明の仕方があることが多い.例えば競合する仮説が複数ある場合などが典型であり,そうした場合に混合分布モデル(Finite Mixture Model)が使えますというのを紹介した論文.さっとメモ. Imai, K., & Tingley, D. (201…

Quillian et al. (PNAS 2017) 雇用時の人種差別のメタ分析

雇用時において人種差別があることは多くのフィールド実験で指摘されてきたが,近年ではそうした差別もだんだんなくなっているとの指摘もある.そこで過去のフィールド実験を用いた研究のメタ分析を行ったところ,雇用時の人種差別は改善されていなかったと…

Nishi et al. (Nature 2015) 富の可視化と不平等

不平等の生成について,被験者に富(wealth)の状況を可視化してラボ実験した論文.非常に面白いし社会政策上のインパクトもある.日本でも何かできないだろうか. Nishi A, Shirado H, Rand DG, Christakis NA. 2015. “Inequality and visibility of wealth i…

Imai and Ratkovic(AoAS 2013) ランダム化プログラム評価における因果効果の異質性の推定

最新のPAでGrimmerらの因果効果の異質性論文がでたのでその関連でImai and Ratkovic(AoAS 2013)をメモ. Imai, K. and Ratkovic, M. 2013. “ESTIMATING TREATMENT EFFECT HETEROGENEITY IN RANDOMIZED PROGRAM EVALUATION.” The Annals of Applied Statistic…

King and Nielsen (WP 2016) なぜ傾向スコアをマッチングに使うべきでないのか?

$(document).ready( function () { $("a[href^='http']:not([href*='" + location.hostname + "'])").attr('target', '_blank'); }) 先日の研究会でKingらの傾向スコアマッチング使うな論文がとりあげられたのでメモ.この論文の存在はあまりにも有名だが,…

Watts(NHB 2017) 社会科学はもっと問題解決志向になるべきか

ダンカン・ワッツが社会科学のあり方について綴ったエッセイ.こういう話は既にいろんなところで多くなされてきているのだが,ワッツが書いているし短いのでサッと読んでみた. Watts, D. J. (2017). "Should social science be more solution-oriented?" Na…

Broockman and Kalla (Science 2016) 差別や偏見を減らすような介入とは

現在計画中のフィールド実験に関連するのでメモ.性同一性障害やトランスジェンダーに対する様々な嫌悪を示すトランスフォビアを減らす介入について,フィールド実験を行った論文. Broockman and Kalla. 2016. "Durably reducing transphobia: A field expe…

Solon et al.(JHR 2015) 何のためのウェイティングか?

応用計量分析では様々な理由でウェイトをかけることがあるが,何のためにウェイトをかけているのか,またそれが適切なのかについては訓練された応用計量屋でも混乱したり間違うことがよくある. こうした問題を受けて,ウェイティングに関する理論,方法,目…

Gerber and Green(2012) Field Experiment, Ch.4

勉強会のメモの続き.実験で共変量をどう使うかについての章である. 4.1. Using Covariates to Rescale Outcomes 共変量とはPotential Outcome(以下PO)を予測すると考えられる観察された変数であり,処置の割り当てに影響を受けないと仮定される.つまり共…