Luo et al. (AJS 2016) コーディング条件に対するIEの感度

APCモデルにおけるコーディングとIntrinsic Estimator (IE)の感度を分析したペーパー.IEを提唱したYang et al. (SM 2004)やYang et al. (AJS 2008)に対するコメントという位置付けである.ちゃんと読んでいないが斜め読みでメモ. Luo, L., Hodges, J., Win…

Imai and Tingley(AJPS 2012) 混合分布モデルを用いた競合仮説の検証

社会科学ではある現象に対して複数の説明の仕方があることが多い.例えば競合する仮説が複数ある場合などが典型であり,そうした場合に混合分布モデル(Finite Mixture Model)が使えますというのを紹介した論文.さっとメモ. Imai, K., & Tingley, D. (201…

Quillian et al. (PNAS 2017) 雇用時の人種差別のメタ分析

雇用時において人種差別があることは多くのフィールド実験で指摘されてきたが,近年ではそうした差別もだんだんなくなっているとの指摘もある.そこで過去のフィールド実験を用いた研究のメタ分析を行ったところ,雇用時の人種差別は改善されていなかったと…

Nishi et al. (Nature 2015) 富の可視化と不平等

不平等の生成について,被験者に富(wealth)の状況を可視化してラボ実験した論文.非常に面白いし社会政策上のインパクトもある.日本でも何かできないだろうか. Nishi A, Shirado H, Rand DG, Christakis NA. 2015. “Inequality and visibility of wealth i…

Imai and Ratkovic(AoAS 2013) ランダム化プログラム評価における因果効果の異質性の推定

最新のPAでGrimmerらの因果効果の異質性論文がでたのでその関連でImai and Ratkovic(AoAS 2013)をメモ. Imai, K. and Ratkovic, M. 2013. “ESTIMATING TREATMENT EFFECT HETEROGENEITY IN RANDOMIZED PROGRAM EVALUATION.” The Annals of Applied Statistic…

King and Nielsen (WP 2016) なぜ傾向スコアをマッチングに使うべきでないのか?

$(document).ready( function () { $("a[href^='http']:not([href*='" + location.hostname + "'])").attr('target', '_blank'); }) 先日の研究会でKingらの傾向スコアマッチング使うな論文がとりあげられたのでメモ.この論文の存在はあまりにも有名だが,…

Watts(NHB 2017) 社会科学はもっと問題解決志向になるべきか

ダンカン・ワッツが社会科学のあり方について綴ったエッセイ.こういう話は既にいろんなところで多くなされてきているのだが,ワッツが書いているし短いのでサッと読んでみた. Watts, D. J. (2017). "Should social science be more solution-oriented?" Na…

Broockman and Kalla (Science 2016) 差別や偏見を減らすような介入とは

現在計画中のフィールド実験に関連するのでメモ.性同一性障害やトランスジェンダーに対する様々な嫌悪を示すトランスフォビアを減らす介入について,フィールド実験を行った論文. Broockman and Kalla. 2016. "Durably reducing transphobia: A field expe…

Solon et al.(JHR 2015) 何のためのウェイティングか?

応用計量分析では様々な理由でウェイトをかけることがあるが,何のためにウェイトをかけているのか,またそれが適切なのかについては訓練された応用計量屋でも混乱したり間違うことがよくある. こうした問題を受けて,ウェイティングに関する理論,方法,目…

Gerber and Green(2012) Field Experiment, Ch.4

勉強会のメモの続き.実験で共変量をどう使うかについての章である. 4.1. Using Covariates to Rescale Outcomes 共変量とはPotential Outcome(以下PO)を予測すると考えられる観察された変数であり,処置の割り当てに影響を受けないと仮定される.つまり共…

Gerber and Green(2012) Field Experiment, Ch.3

メモの続き.第3章はSampling Distributions, Statistical Inference, and Hypothesis Testingである. 3.1. Sampling Distribution The term sampling distribution refers to the collection of estimates that could have been generated by every possib…

Gerber and Green(2012) Field Experiment, Ch.2

先日からフィールド実験の勉強会に参加しているので,毎回の内容について簡単にメモをとることにした.テキストは以下.Field Experiments: Design, Analysis, and Interpretation作者: Alan S. Gerber,Donald P. Green出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc…

Takaku(SSM 2016) 乳幼児医療費助成は子どもの健康を改善したか

子どもが医療機関にかかる際に自己負担額が軽減される,乳幼児医療費助成制度が子どもの健康を改善したのか否かを検証した論文.乳幼児期の健康は,その後の健康のみならず様々な面で影響があることが知られており重要なテーマである. Takaku, R. (2016). "…

Polavieja(ASR 2015) 伝統主義は女性労働参加を抑制するか:Synthetic IVによる推定

価値観が行動を規定することは社会科学でしばしば指摘されているが,本稿では伝統主義(traditionalism)が女性の就業/非就業に影響を与えているのかを分析している. Polavieja, J. G. 2015. "Capturing Culture: A New Method to Estimate Exogenous Cultura…

Gelman(2006) マルチレベルモデリングで出来ること出来ないこと

マルチレベルモデリングの有用性と限界が明確に述べてある論文.著者はData Analysis Using Regression and Multilevel/Hierarchical Modelsで有名なAndrew Gelman. Gelman, A. 2006. “Multilevel (Hierarchical) Modeling: What It Can and Cannot Do” TEC…

Charles et al. (SS 2015) ケアワークにおける世代間再生産

親がケアワーカーだと子もケアワーカーになりやすいのかを検証した論文. Charles, M., Ellis, C., & England, P. 2015. "Is There a Caring Class? Intergenerational Transmission of Care Work." Sociological Science 2: 527–547. 親の社会経済状況が子…

King and Roberts(PA 2015) 頑健標準誤差を無自覚に使ってはいけません

計量社会学のレクチャーで漸近理論の話が出てくることはあまりないが,これはまずいと思っている.漸近的性質については計量屋のフロンティアでいまもたくさん成果が出ているし,それらをフォローするのは難しいが,基本的なことは共有されるべきである.さ…

O'Brien et al.(SMR 2008) APC混合効果モデル

簡単なメモをしておく.アウトカムに対する年齢(age),時代(period),世代(cohort)の効果を識別するのは単純でない.なぜなら「世代=時代ー年齢」が成立しているからだ.これらを工夫して何とか識別しようとするのがAPCモデルであるが,これは社会学での呼…

Western and Bloome(SM 2009) Variance Function Regressionによる不平等の分析

最近Bruce Westernがよく使っているVariance Function Regression(VFR)を本人が解説した論文.国内学会の報告等でもVFRは最近みかける. Western, B., and Bloome, D. 2009. "VARIANCE FUNCTION REGRESSIONS FOR STUDYING INEQUALITY." Sociological Methodo…

Atanasov and Black(WP 2015) Shock-Based IV再考

制度変更等を利用したShock-Based IVはIVが満たすべき仮定のひとつである独立性(as-if random assignment to treatment)や除外制約(only through)を満たしていると考えられているため,多くの研究で利用されているが,先行研究のShock-Based IVは本当に仮定…

Busso et al.(REST 2014) 傾向スコアマッチングと傾向スコアウェイティングの有限標本特性

傾向スコアによるマッチングとウェイティングの推定量を比較した論文. Busso, M., DiNardo, J., & McCrary, J. (2014). "New Evidence on the Finite Sample Properties of Propensity Score Reweighting and Matching Estimators." Review of Economics an…

Hainmueller et al.(JOP 2015) 現職候補者は有利なのか:RDDの外的妥当性

Regression Discontinuity Design(RDD)の外的妥当性を検討した論文. Hainmueller, J., Hall, A. and J. Snyder. 2015. "Assessing the External Validity of Election RD Estimates: An Investigation of the Incumbency Advantage." Journal of Politics 7…

Primo et al.(2007) クラスター化標準誤差 vs マルチレベルモデリング

社会学や心理学でしばしば用いられるマルチレベルモデリングであるが,経済学者のいる研究会で「それって標準誤差をクラスター化すれば良いのでは?」と言われた経験のある人は多いのではないだろうか.このセリフを言ったことも言われたこともあるのだが,…

Imbens (JEL 2010) たかがLATEされどLATE

社会科学で急速に増えている実験や自然実験を用いた分析のトレンドを激しく非難したDeaton(2010)やHeckman and Urzua(2009)に反論した論文.誘導系vs構造推定を含め,エコノメ界隈では皆が知っているこのやりとりだが,日本の社会学界隈ではあまり知られてい…

Hill et al.(MBR 2011) 共変量が高次元の場合の傾向スコア法の検討

共変量が多い場合,傾向スコア法はいかに用いられるべきかを検討した論文.前回紹介したStuart(2010)でも示されているように,マッチング法といっても色々あり,傾向スコアを用いた因果推論の方法も色々ある.高次元の場合にはどの方法の組み合わせが望まし…

Stuart(SS 2010) 因果推論におけるマッチング法の回顧と展望

傾向スコアマッチングの歴史や方法について外観したもの. Stuart, E. A. (2010). "Matching Methods for Causal Inference: A Review and a Look Forward." Statistical Science 25(1): 1–21. マッチング法は経済学,社会学,政治学,疫学,薬学,医学など…

Moretti(2013) 年収は「住むところ」で決まる

これまた積ん読だったモレッティ本を読了した.労働経済学の論文しか読んだことがないが,都市経済学でも著名な経済学者である. 年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学 作者: エンリコ・モレッティ,安田洋祐(解説),池村千秋 出版…

Goldthorpe(ESR 2001) 因果関係,統計学,社会学

イギリスの社会学者ゴールドソープが因果関係について整理し,さらに社会学で因果関係の分析がいかになされるべきかを説いているエッセイ. Goldthorpe, J. H. (2001). “Causation, Statistics, and Sociology.” European Sociological Review, 17(1), 1–20.…

Xie(2007) ダンカンの流儀:社会学における人口学的アプローチ

最近まわりで耳にする論文なので読んでみた. Xie, Yu. 2007. "Otis Dudley Duncan's Legacy: The Demographic Approach to Quantitative Reasoning in Social Science." Research in Social Stratification and Mobility, 25(2): 141-156. ダンカンといえば…

Brand and Xie(ASR 2010) 最も教育リターンを受けているのは誰か?因果効果の異質性

大卒学歴が賃金に与える因果効果について,異なる個人に異なる因果効果(heterogeneous causal effects)を想定し検証した論文. Brand, J. E., & Xie, Y. (2010). "Who benefits most from college? Evidence for negative selection in heterogeneous econom…